@article{oai:seisen.repo.nii.ac.jp:00000408, author = {笹田, 裕子 and ササダ, ヒロコ and Sasada, Hiroko}, journal = {清泉女子大学紀要}, month = {Dec}, note = {P(論文), Roverandomは、John Ronald Reuel Tolkien (1892-1973)が1920年代に書いた物語である。1998年、Christina ScullとWayne G. Hammondにより編集・出版された。20世紀を代表するファンタジー作品The Lord of the Rings(1954-55)の「準創造者」であるTolkienが、家庭では自分の子ども達を喜ばせるために奇想天外な物語を作り出すストーリーテラーであったことは、よく知られている。子ども達の就寝時に語られた短い物語の中で、最初にある程度の長さをもった物語として書き下ろされた作品が、Roverandomであった。この物語はもともと、Fileyで夏の休暇中に、お気に入りのおもちゃの犬をなくした次男Michaelを慰めるために作り出されたものである。Roverandomが自分の子ども達に好評を博したことに気をよくしたTolkienは、次々に子ども達のための物語を作り出し、やがて、ある非常にわくわくさせる楽しい物語が、就寝時に続き物で語られるようになり、1937年にThe Hobbitとして出版されることになるのである。本論は、Roverandomが、The Lord of the Ringsの序 The Hobbitの先行テクストであるという前提に基づき、物語の構成要素を検証するものである。Roverandomの編者ScullとHammondは、「Tolkien自身の子ども達に大歓迎されたRoverandomのような物語が存在しなければ、The Hobbitが書かれることはなく、The Lord of the Ringsも存在していなかったかもしれない」という仮説を提示しているが、共に本来は意識的に子ども向けに語られた物語であったRoverandomと The Hobbitには、児童文学作品がもつ多様な要素が駆使されている。Roverandomの間テクスト的要素に関しては既に編者が詳細に検証済みであり、The Hobbitに、イギリスの古典的児童文学作品の「子ども時代のレトリック」が適用されていることに関しては、Lois Rostow Kuznetsが分析した先行論文が存在する。したがって、本論では、Roverandomにおける児童文学作品の要素-未知の土地への奇想天外な旅、ノンセンス、語り手、安心感を与える結末-に焦点を当て検証していく。最終的に、主人公が再び出発地点=到達地点へと辿り着き、以前と全く同じではない自己を獲得する旅が主要な筋であるという点や、作者の「子ども性」が駆使されている物語であるという点など、The Hobbitと多くの点で類似しているRoverandomが、先行テクストとして重要な作品であることを明らかにする。, Roverandom, which was originally written by J. R. R. Tolkien in 1920s, was edited by Christina Scull and Wayne G. Hammond and published in 1998. It was one of the bedtime stories Tolkien eagerly kept composing to entertain his own children one after another in 1920s and 1930s, which include The Hobbit. In this article, I shall try to examine all the diverse elements of children’s fiction in Roverandom as well as discussing whether, as its editors suggested, Roverandom should be seen as a precursor to The Hobbit.}, pages = {27--43}, title = {A Journey to the Reattainment of the Self in Roverandom}, volume = {53}, year = {2005} }