@article{oai:seisen.repo.nii.ac.jp:00000423, author = {笹田, 裕子 and ササダ, ヒロコ and Sasada, Hiroko}, journal = {清泉女子大学紀要}, month = {Dec}, note = {P(論文), きたむら さとし(1956-)は、東京で生まれ育ち、1979年にロンドンに渡り、絵本作家となる。最初の絵本Angry Arthur(1982)で1983年マザーグース賞を受賞して以来、きたむらは、イギリスと日本の両方の国で絵本を出版している。きたむらの絵本は、二つのカテゴリーに分類することが可能である。一つは、ハーウィン・オラムが文を担当する初期の作品、もう一つは、きたむら自身による絵と文からなる作品である。きたむらの作品にはコミックの技術が用いられることが多いが、後者の場合は特に、最近のものになるほど、よりコミックに類似した絵本となってきている。したがって、きたむら作品は、その作風からは三種類に分類することができよう。すなわち、初期のオラムとの合作、最近のコミック的絵本、および両者の狭間の時期の作品である。1989年出版のUFO Diary(日本語版タイトル『あるひうちゅうで』)は、オラムとの合作からコミック的絵本へと移行する過渡期に属する。しかも、文を自分で手がけ始めた頃に描かれたアルファベット本や数かぞえ絵本(counting book)ではなくて、物語絵本であり、この時期を代表する作品の一つであると考えられる。絵本は文字と絵の両方を媒体とするため、文字のみで書かれる物語に比べ、創り手は、はるかに多様な表現方法を駆使することができる。本論は、二つの異なる文化圏にまたがって作品を発表し続ける絵本作家きたむらの、作風の上でも過渡期の作品であるUFO Diaryに焦点を当て、絵本の想定される読み手(通例子ども)に与える効果を含め、きたむら作品の特徴を明らかにしようとする試みである。まず、視点(viewpoint)、手がかりとなるイメージ(trigger image)、線(lines)や色(colour)の使い方といった、芸術作品としての絵本に用いられる技術的な要素を詳細に分析する。さらに、この作品が描き出す「友情」という普遍的な主題、および、主題とも深い関わりをもつ「心の中の別世界」へと考察を進める。心の中の別世界、すなわち「内なる外界(the external in the internal)」は、きたむら絵本の作品世界そのものであるといえよう。}, pages = {1--16}, title = {The External in the Internal : Satoshi Kitamura's UFO Diary}, volume = {54}, year = {2006} }